中村 輪夢 / RIM NAKAMURA

2002年2月9日生まれ、京都府出身。BMXフリースタイル・パーク競技のプロ選手。
UCI世界ランキング1位(2026年6月現在)。
2022年UCI世界選手権優勝(日本人初)。東京・パリ五輪連続5位入賞。
2025年X Games大阪優勝、全日本選手権7連覇達成。

世界一の選手が持つ「静けさ」

撮影現場で最初に感じたのは、その静けさでした。世界ランキング1位、オリンピアン、世界チャンピオン。そういった肩書が並ぶ選手というと、もっと威圧感があるものと思っていました。でも輪夢選手は、カメラの前でも飾らず、自然体でそこにいた。その落ち着きが、写真に滲み出てくるんです。

競技者としての身体能力は言うまでもありませんが、それ以上に印象的だったのは「自分がどう見えるか」をまったく気にしていないように見えるところ。ポーズを作らず、カメラを意識しすぎず、ただそこに存在している。そういう被写体は、撮っていて本当に楽しい。

動きを捉えるということ

BMXの撮影で難しいのは、動きの速さではありません。むしろ一番難しいのは「どの瞬間を切り取るか」の判断です。トリックの頂点なのか、着地の瞬間なのか、それとも助走中の表情なのか。競技の流れを理解していないと、ただシャッターを切り続けるだけになってしまう。

輪夢選手の場合、技の精度が極めて高いため、連写していれば「それっぽい写真」は撮れます。でも、ただそれだけでは面白くない。一枚の写真に「なぜこの瞬間なのか」という理由を持たせたくて、ファインダー越しに選手の動きをずっと追いかけていました。

決定的だったのは、技が終わった直後の一瞬。着地して、体が止まり、少しだけ息を整えるあの時間。その表情に、プロの凄味と人間らしさが同時に出る。スポーツ写真の醍醐味は、そういうところにあると思っています。

ポートレートとして向き合う

競技写真とは別に、ポートレートとして輪夢選手に向き合う時間もありました。スポーツ用のウェアではなく、普段の服装で、カメラを見てもらう場面です。

こういうとき、自分がいつも大切にしているのは「急がないこと」です。最初の数分は、まずただ話す。どんな音楽が好きか、最近気になっていることは何か。撮影の話は後回しにして、人として接する時間を作る。そうすると、カメラを向けたときの表情が変わってくる。

輪夢選手は飾らない人でした。格好をつけようとしない。その分、自然な表情が引き出しやすく、撮っていてとても気持ちのいい時間でした。

アスリートを撮ることの意味

スポーツの写真を撮ることの意義は、競技の記録だけではないと思っています。世界一という称号の裏にある積み重ね、プレッシャー、喜び。そういう人間的な側面を一枚の写真に閉じ込めて、多くの人に届けること。それが、フォトグラファーの仕事だと感じています。

中村輪夢選手の写真は、公式スポンサーである株式会社ビザビのサイトに掲載されています。ぜひご覧ください。

中村輪夢選手の公式スポンサーページにて、今回撮影した写真をご覧いただけます。
vis-a-vis 中村輪夢 公式ページ ↗